花喰みアソラ

那月

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本日は閉店なり

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「きっと大人になったら、考え方が変わるような心動かされるような出来事があれば変わりますよ。あたしがそうでしたから」


 物事の考え方なんて、生き方なんて。誰かの何気ない一言、心が跳び上がるようなお叱りの言葉、絶望の果てに開いた悟、その他色んなきっかけがあって変われるの。


 運命の出会いみたいな、あたしの場合は衝撃的な感じだったわね。これでも昔は色々と擦れてたのよ、あたし。


 さて。ハリー君も完全に熟睡しちゃったし。買うもの買って帰ろうかなって思ったら、アソラさんと目が合ったわ。


 ずっとハリー君に熱い視線を向けていたのに、振り向いたらあたしをジッと見てたのよ。ビックリしちゃった。


 でもすぐに顔を背けて、また「ハリオ君見に行くよ」って行っちゃった。何か、アソラさんの気に障るようなこと言っちゃったかな?


「今日も癒されました、ありがとうございます。またいっぱい買っていきますね」


「こっちこそいつもありがとね。今度、親戚の子が出産するからお花を買いに行くわ。ラッピングはお任せするわね」


 予約、了解です。いつも出掛ける時は持ってるメモ帳に、取りに来る日付やイメージ、使ってほしいお花や色なんかをメモしてっと。


 アソラさんを追って店の方へ。店主にオススメのお魚をいくつか詰めてもらって、ちょっと値切ってからお支払い。


 3つある袋のうち重たいのを2つ持ってくれたアソラさんは、特に機嫌が悪そうじゃあない。ならさっきのは何だったんだろ?


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