30 / 97
本日は閉店なり
1P
しおりを挟む「あれ、今日は店を開けないんだね?」
「定休日なんです。だから今日は買い出しに出かけますよ、もちろんアソラさんも一緒に!」
「な、なんだかやけに嬉しそうだね。買い出しって、花の買い付け?あぁ、食料とか日用品の方か。もしかして僕を荷物持ちにフル活用しようとしてる?」
「そんなんじゃないですっ!荷物は持ってもらえると助かりますけど。フフフッ、ちょっとした楽しみがあって」
今日は「フラワーショップミサキ」の定休日。買い出しと休息の日。
近所の――とはいっても町のはずれにあるからお隣さんとは見えないくらい離れてる――商店街に必要なものを買いに行くの。
その買い物の最後に、あたしの楽しみがあるのよ。この楽しみのために毎日頑張ってるって言っても過言じゃないわ。
あたしが大好きなあの子に会いに行くの。一目惚れしちゃった可愛いあの子。きっとアソラさんも気に入ってくれるはず。
荷物を確認して、しっかり戸締りをしてアソラさんと一緒に商店街に向かう。さて、何を買おうかしら?
「偉いね。ちゃんと、買うものをあらかじめリストアップしてるんだ?この、ハリー君のオヤツって?」
やけにそわそわして落ち着かないアソラさんが、あたしの手元を覗き込む。一応は買うものを書いてるんだけど、いつも余分に買っちゃうのよね。
「着いてからのお楽しみってことで。えーと、まずはアソラさんの洋服とか日用品をそろえなきゃ」
財布も何も持ってないアソラさん。男物の着替えなんて持ってないもの。衣服と歯ブラシも買って、食器は来客用で足りるからいいわね。絶対に使うようにするんだから。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり


【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる