22 / 97
綺麗な花にはトゲがある
9P
しおりを挟む「男だもんねぇ、カイン君?ディールと会う時はいつも女装して、嫌われないように必死で隠していたよねぇ。高額な女性ホルモンの注射まで打ってさぁ?」
打ち明けることを選んだ彼女が彼の手をつかんだその瞬間、彼女の腕の中から落ちた赤いバラの切り花から緑色のツルが飛び出した。
2人に巻き付いて、いくつもある鋭いトゲが突き刺さって2人の口から悲鳴。
赤いバラの切り花が彼女の強すぎる想いに反応して花妖化、ホストみたいな若い男に変身した。真っ赤な髪、真っ赤な瞳は2人から流れる血みたい。
昨日の今日でまた花妖化するなんて、どんだけアソラさんの力が強いのよ。なんて呆れたけど、赤いバラの花妖の口から飛び出した言葉に頭がフリーズ。
今、彼女のアイさんが男だって言った?彼のそばにいるために自分を偽って、女らしくあるためにホルモン注射って。というか、カインって……
「なん、だよこれ……つかお前が男って、カインって本当なのか?アイは偽名なのかよ?」
「うん。初めて会った時、私、女装コスプレさせられてて。うあっ!いっ痛い、痛い、よ……ごめんなさい。でも、ディールさんに嫌われたくなくてっ」
「こいつはカマってわけじゃないぜぇ?純粋にカインとしてお前を好きになった、それが同性だったってだけでさぁ。よく1か月ももったよなぁ?」
「悪いのは全部私なの。だからお願い、ディールさんを離して!私はどうなってもいいから。ぎっ、あぁぁっ!!」
「アイっ!くそっ、もう何もかもが無茶苦茶だ!離せぇッ!!」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
FLORAL-敏腕社長が可愛がるのは路地裏の花屋の店主-
さとう涼
恋愛
恋愛を封印し、花屋の店主として一心不乱に仕事に打ち込んでいた咲都。そんなある日、ひとりの男性(社長)が花を買いにくる──。出会いは偶然。だけど咲都を気に入った彼はなにかにつけて咲都と接点を持とうとしてくる。
「お昼ごはんを一緒に食べてくれるだけでいいんだよ。なにも難しいことなんてないだろう?」
「でも……」
「もしつき合ってくれたら、今回の仕事を長期プランに変更してあげるよ」
「はい?」
「とりあえず一年契約でどう?」
穏やかでやさしそうな雰囲気なのに意外に策士。最初は身分差にとまどっていた咲都だが、気づいたらすっかり彼のペースに巻き込まれていた。
☆第14回恋愛小説大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございました。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる