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大好きなんです
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しおりを挟むこのままアソラさんが倒されて、次はあたし。花妖はアソラさんさえいなくなれば治まるって言っていたけど。
アソラさんのお花を花妖化させる力は強すぎるから、1度花妖化してしまったらアソラさんの手によって倒さないとダメなんだって。
ボロボロの彼がそう言っているわ。だから、どうやって倒すっていうのよ?
あたしは怖い。怖い以外に何があるっていうのよってくらい怖い。胸の前で握り締める拳を、ただただ震わせることしかできない。本当に?
花妖はアソラさんの体から発せられる力と、あたしの“怖い”を吸収してどんどん成長を続ける。また大きくなっているのよ。
力も強くなって、アソラさんが命を失うのは時間の問題。なのに彼は、深い空色の瞳は光を失わない。
「は、腹が減った……うあっ!く、ぅ…………もう少しなら耐えられるから、お願い、持ってきて。早く。君にしかできないんだ」
花妖のビンタを食らってあたしの足元に転がってきたアソラさんは、荒い息を吐きながらあるものを持ってくるようあたしに言った。
そんなもので倒せるの?確かに、それはこの花妖の苦手なものだと思うけど。バケモノに通用するの?
やられながらの防戦一方でもうフラフラの彼が言うんだもの。信じるほかないわ。彼の言葉は強い、魔法の言葉。
それまでずっと動けなかったあたしの足は店の中へと踏み出し、キッチンへ。手洗いの蛇口に散水用のホースをつなげて、いつもは使わない方の蛇口をひねる。
ホースの先にあるノズルガンを持って大急ぎで彼の元へ走ると「はいっ!」と手渡した。
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