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終末の先の景色
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しおりを挟むリリちゃん、そうだったんだ。アキラさんもこれは初耳だったみたい。「そうだったのか」って丸くした黒い目を向けているわ。
リリちゃんのお父さん、道場の師範ってことしか知らなかったけど。鬼死団員だったってことは相当な二刀流の使い手だったんでしょうね。
7年前の百鬼夜行で亡くなった。ってことじゃなく、さらにその前に病気で亡くなったんだって。
リリちゃんもティンさんも、これからもアキラさんについていくって。さりげなーくリリちゃんに「アキラさんにアタックするの?」って聞いてみたら、真っ赤になって首を横に振る。
彼女がアキラさんに特別な思いを寄せているのは、ティンさんにだってわかるわよ。ずっと気になってたんだけど、彼女は気が弱いから。
耳まで真っ赤になっちゃって可愛いんだから。頭が取れちゃいそうなほどブンブン激しく首を横に振って、目を回した彼女は驚愕の事実を暴露。
「団長には……か、彼女さんがいるみたい、ですから……」
えぇっ!?そ、そうだったのね…………それは、驚きだわ。チラッとティンさんに目を向けてみると「あたしじゃない」って首を横に振る。じゃあ、誰?
あーもう、気になるわ!わからないまま消えちゃうなんて、未練ありまくりになっちゃう。成仏できないわ。
すっごく気になるけど、我慢するしかないわよね。あたしは2人の手を握り、しっかり握手、2人一緒に引き寄せギュッと抱きしめた。
「これからも頑張ってね」
あたしにはこれしか言えない。これでいいの。長い長い、長すぎる時間を生きてきたけど、鬼死団の人達との思い出が1番大切。
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