恋人以上、永遠の主人

終末の先の景色

４P

「…………逝くのか。その……何だ、色々と世話になったな。この日を待ち望んでいたが、いざ終わってしまうと虚しいものだ」


「世話になったのは俺達の方だよ、アキラさん。俺達はやるべき使命を全うしただけ。アキラさん達には暮らしまで提供してもらって、本当に助かった。永遠に、大切な家族だ。ありがとう」


　男の友情？悲しそうに差し出されたアキラさんの手を、マクベスがガッチリ握りしめた。


　半分ドラゴンの姿から戻ってないマクベスだけど、アキラさんはマクベスのドラゴンの手を握り返す。美しいわね。


　って、２人の様子を見ていたら誰かに肩を叩かれた。ビックリして振り返ると、そこには両足の傷がほとんどふさがったリリちゃんとティンさんがいた。


「ありがとうティンさん。この銃に何度も助けられたし、これが無かったら羅刹と戦えていなかった」


「礼を言うのはあたしの方よ。崇め奉らって、神様として毎日拝んでも足りないほどの感謝」


「あの、私……父上の後を継いで鬼死団に入団したんですけど。本当は嫌だったんです。殺生をするのが、戦うのが怖くて……でも、今は続けてよかったってハッキリ言えます。お２人のおかげです。ありがとうございます」


　あたしは銃をティンさんに差し出す。ティンさんにチューニングしてもらった銃を、彼女にプレゼントするの。遺品になっちゃうかしら。


　愛用の銃を何種類も持っているからいらないと言われるかと思ったけど、彼女は苦笑して受け取ってくれた。


　銃を大事に胸に抱えて、もう１度「ありがとう」と頭を下げる。その隣で、リリちゃんが超深々と頭を下げて変な光景。