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白銀の闇
5P
しおりを挟むお互いの涙を拭い合って、目が合ってそれが何だか面白くて笑い合う。
きっと外の世界では皆が命がけで必死に戦ってくれているのに、あたし達は笑い合っているなんて。って思うけど、戻れるって信じているから。
立ち上がり前を向いて進む。次に進むための大きくて分厚い扉が目の前に立ちふさがっているけれど、その扉の鍵がカチャンって開いた音が、あたしには聞こえた。
「戻るわよマクベス。大丈夫、あたしが隣にいるから。最終決戦、腹くくっていきなさい」
扉が開いて、あたしの体が光に包まれる。グッとマクベスの手を握り締めると不意に彼が顔を近づけてきて、唇に軽く触れた。
悪戯っぽく笑う彼は深くうなずき、あたしと同じような光に包まれる。
「助けに来てくれてありがとう。そこまで俺を想ってくれるんならナツメ、俺のことが好きなんじゃ――」
「あたしは晴明様を愛しているわ。マクベスのことはパートナーとして好きよ」
「ブレないなぁ。まぁでも、そういうナツメが好きなんだけどね。行こう。大丈夫、いつも俺が隣にいるから」
こっちに来た時よりもはるかに眩しくて暖かい光が2人の体を包み、そして――
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