恋人以上、永遠の主人

那月

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悪鬼羅刹

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「あたしは死ななかったわ、晴明様に感謝なさい。で、晴明様?あの2人はどうなったの?こっちに来てくれたってことは倒した……」


「私を侮るな。死してもなお陰陽師としての力は健在だ、2人ならここにいる。役目を終え一息ついておったら……お前の悲鳴が聞こえてな、つい飛んできてしまった」


 胸に手を当てた晴明様は、その手であたしの頭を撫でた。実体があるの?酒吞童子と茨木童子を再び御身の中に封じ力を吸収したから?


 何にしても、今、本当に危なかった。本気で死んじゃうと思ったもの。タイミングの良い登場とイケメン発言に顔が熱い。嬉しい。


「悔しいね。俺はナツメを愛しているのに手が届かなかった、助けられなかった。取り乱してごめん。でも、晴明様はナツメを俺に譲ってくれたってこと――」


「さぁ、それはどうだろうな?そんなことよりもお前達、反撃開始と行こう。ナナシ君!」


「はいよ、来い!いっくぞおらぁぁぁッ!!」


 ようやく正気に戻ったマクベスが何か晴明様とヒソヒソ言っていたけど、あたしには聞こえなかった。


 晴明様はフッと笑うと刀の姿に、ナナシ君の左手の中に戻っていった。あたし達も行くわよ。ここまで1人で時間稼ぎしてくれた。ナナシ君は戦闘が上手い、父親譲りね。


 晴明様とナナシ君の参戦は羅刹も考えていなかったようで、少し焦りが見える。強く踏み込み、たまにフェイントも入れてナナシ君は次々と攻撃を繰り出す。


 マクベスの攻撃を避けたところでナナシ君が刀を一閃させ、わずかながらも斬りつける。2人で絶え間なく、息ピッタリに刀を振るい続ける。


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