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悪鬼羅刹
7P
しおりを挟むもっともっと強くなれる。どこまでいけるのかわからない。今までに出したこともないほど膨大な力を、ありのままに流す、弾丸に変えて撃ち込む。
羅刹は動かない。いくらあたし達の動きがかなり速くなっているとはいえ、羅刹なら反撃なり避けるなりできるはず。
なのに彼は避けるそぶりを見せるだけで、ほぼ全ての攻撃を受けているの。腕や足、お腹を斬られ弾丸に撃ち抜かれて黒い血を流して、そこに立っている。
嫌な感じ!マクベスも気づいて攻撃をやめ跳び下がるけど、遅かった。
「反転」
羅刹がニヤッと笑った。瞬間、焼けるような鋭い痛みが襲ってきた。マクベスの体中に傷が出現して血が噴き出す。
腕に、足に、お腹にパックリ開いた刀傷達。そして肩や胸に穴が開き、マクベスはガクッと崩れ落ちた。
全部、あたし達が羅刹に与えた攻撃がそのまんま返ってきた!?羅刹の方はケガなんて1か所もないし、ニヤニヤ笑いながらゆっくり近づいてくる。
「ばっかだなァ?得意げに自信なんかつけちゃってェさァ。人間なんかが神のワタシにかなうわけないのにねェ」
「か……かなうわよ。ニンゲンサマを、舐めないでちょうだい。というか、あんたなんてもう神様でも何でもな――あぁっ!!」
「へーェ、何でもできるワタシが神でないと?死ねと命じれば殺せるというのにィ?」
床に膝を突き荒い息を吐くマクベスの前に立つ羅刹は鋭く尖った爪を、あたしに突き立てた。
鬼斬り丸の姿でマクベスの手に握られているのよ?なのに爪は刀身を貫通して、まるで直接あたしの胸を爪が抉っているかのように激痛が走る。
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