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開戦再び
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しおりを挟む「僕はいつも見てたよ。同年代の子達と遊んでいた時の楽しそうなお前は永久の鬼追いなんかじゃない、ただの人間の女の子、ナツメなんだって。僕の自慢の妹さ」
なによ、こんな時ばっかりイケメンに変身しちゃって。酷いわよ。おかげで涙が止まらないじゃない。
同じ親から生まれた、血のつながりもあるれっきとした兄妹。でもあたしは永久の鬼追いで、記憶も人格も1番最初のナツメのもの。
あたしもお兄ちゃんも、心のどこかでは兄妹らしくないって思ってたのかもしれない。
だけどお兄ちゃんはあたしを、心から本物の妹だと受け入れてくれた。家族だって。うん、嬉しいよ。あたしも、セイさんのことはお兄ちゃんだってちゃんと思ってるから。
そんな感動の場面であたし、腕をくっつけたの。さすがにお兄ちゃんに嫌な顔をされるかと思ったけど「便利だな」って笑われちゃった。
お兄ちゃんの折れた右腕は治療を受けないと治らないけど、あたしはこうやってちぎれた腕を肩の傷口に押し当てればくっついちゃうのよ。
おぞましいでしょ。人間じゃないもの。完全にくっついても感覚が完全に戻るのは少しかかるから、動かしにくいの。
「行ってこいナツメ!また会おうなっ!」
お兄ちゃんは体を離してワシャワシャッとあたしの頭を乱暴に撫でるとマクベスに「妹を頼むぜ」と笑い、アキラさんの後を追った。決して振り返らない。
フルパワーの魔法をぶつける。強いとか弱いとかは関係ない。自分にできること、やらなきゃいけないことに気が付いたから。
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