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開戦再び
13P
しおりを挟む戦鬼の左腕は金棒と一緒に斬り落としたし、右手は炎と風の手に掴まれている。じゃあ、何の手!?
「アッキーッ!!!!」
助けに行こうとした。でもマクベスの手は届かず、代わりにお兄ちゃんがアキラさんを突き飛ばして巨大な手に捕まってしまった。
すぐにマクベスが斬りつけたんだけど、逆にもう片方の手が鬼斬り丸をつかんで――折った。
「ッアアァァァアアアァァァアアァァァッ!!!!」
「ナツメッ!!」
新たに出現したそいつの姿を見たわ。来ると思った。今度は災鬼、7年前の百鬼夜行であたしとマクベスが倒した大型の鬼。
全身を激痛が走り、体中の骨が折れた感じ。元の姿に戻ると左腕がちぎれてない。ずっと握っていた左手は、マクベスが握っているわ。
背中に大きな翼を持っている災鬼は右手にお兄ちゃんを、左手にあたしを握って地上のアキラさんとマクベスを見下ろす。
戦鬼と災鬼がそろってしまうなんて。しかも両方とも、ほとんど体力を削れていないのに!
アキラさんはあたし達を助けようと金砕棒を振るうけれど、マクベスにはもう武器がない。どんどん締め上げられていくあたしから、恐怖と絶望から目を反らせないでいる。
お兄ちゃんも両手を塞がれていながら魔法を発動させようとしているけれど、鬼の握力にはかなわない。
力が抜けて意識がもうろうとする。今、戦鬼がノーマークなのに。完全な破壊神と化して街をメチャクチャにしているのに。
諦めたくない。この街を、皆を失いたくない。この世界を守りたいって思うだけでどうにもできない自分が腹立たしい。
嫌よ、こんなの。こんな終わり方ってあんまりだわ。嫌。絶対に嫌!!
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