恋人以上、永遠の主人

那月

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潜入は慎重に

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 残り4体。背後から飛びかかってきていた小童子は、少し離れた所から構えていたティンさんが愛用の銀の銃で的確に心臓を撃ち抜いた。


 残り3体。早かったわ。1体はマクベスに背を向け、照準を合わせられないようジグザグに走ってティンさんに襲いかかったんだけど。


 普通の人の目では負えないほど足が速いわ。昔討伐していた小童子よりも、なんとなく足が速くなっているような気がするんだけど。


 ティンさんも素人じゃない。鋭く細められた目はしっかりと襲いかかる俊足の小童子をとらえていて、2発外して1発掠め4発目を命中。


 心臓を撃ち抜かれてもなお黒い血を垂れ流しながら這ってくる小童子に、さらに1発撃ち込んでマクベスの補助に戻る。


 もう、終わっていたんだけどね。なんてったってマクベスは、あたし達はプロだから。


 ティンさんが顔を上げた時、マクベスはエクスカリバーと鬼斬り丸のそれぞれで小童子を刺し貫いたところだったのよ。もちろん無傷で。


 でもね、マクベスの目の前、エクスカリバーに胸を貫かれている格好いい系の小童子が手を伸ばしてきたの。


 口の端から真っ黒い血を流して、伸ばした手は震えていて、赤い瞳から放たれている鋭い眼光はまっすぐマクベスの金色の瞳をとらえて離さない。


 自分の死を悟ってなお、まだ生きようとしている。苦しそうに、悔しそうに歪んだ顔は痙攣を始め、何か言いたそうに口がパクパクしているわ。


 やがてその子は伸ばしていた手をダランと力なくぶら下げて、うなだれて逝ったわ。


「……と、も……またあそ、ぼ…………やく、そ……とも、だ、ち……」


 か細い、震える言葉を残してね。衝撃的よ。比較的知能の低い小童子が意味のある言葉を話すなんて。それも、悲し気に最期の時によ?


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