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動いた山は氷山の一角に過ぎない
17P
しおりを挟む末恐ろしいわね。チラッと窓に目を向けると、素直に従ったらしいユエさんの黒いハト達が飛んでいるわ。
さて。ユエさんが素直に応じたということは、アキラさんと彼女との間で金銭交渉があったのは間違いない。いくらの、何ケタの金額がユエさんに支給されるのかしらね?
あたしとマクベスがアキラさん達に話していないことがまだあるように、彼らもあたし達には話していない秘策を持っている。
こういう、窮地に立たされた時まで明かさないとっておき。使い時を誤れば、敗北と滅亡が待っている。だからこその、秘策。
じゃあ情報収集は彼女に任せるとして。外のハト達に目を奪われていて気づかなかった彼のことに、あたし達は集中しなきゃね。
「おはよう、ラファルガ――」
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