恋人以上、永遠の主人

那月

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戦友は一時休戦、家族団らん

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「美味しいわよ?ユエさんの味付けのおかげでキノコ独特の臭みもないし、少しだけでも食べてみたら?」


「そうよね。皆、美味しそうに食べているからあたしも…………って思うんだけど。見たでしょ?ちょっと入っただけでもあぁなるの。恥ずかしいわ」


「んー?エノキならつくね、シイタケなら人参と一緒に食べるといいよ。脱、好き嫌い。嫌い嫌いきらーい、好き嫌いする団長なんか大っ嫌ぁーい」


「んぐっ!!俺は好き嫌いなんかしないだろっ!?」


 意外なところから救世主が登場?まだアキラさんで遊んでいるらしいユエさんが、こっちも見ずにそんなことを言った。


 一瞬はあたしと同じでキョトンとしていたティンさんが、菜箸をつかんだ。つくねをお椀に入れて、ピタリと止まる。


 菜箸の先におつゆが染みて茶色くなっているエノキ。ジッと見つめて、ガタガタ震えながらも数本のエノキをお椀に入れることができた。


 待って。親の仇の鬼を前にしてるみたいな怖い顔になってるんだけど。つくねとエノキをお箸で一緒につかんで持ち上げて、残像が見えるくらい震えてるわ。


 いつの間にか、皆が見てる。頑張れって。無言で応援。1分?2分?湯気も消えて冷たくなっちゃったでしょうに、ティンさんは心の葛藤ののちにパクッと口に入れたわ。


 思わずみんな「おぉ」と声が出た。モグモグモグ。モグ………………モグ、モグモグ。ゴックン。食べた!


「た、食べられたわ。それに、美味しい。あれくらいの量なら、食べられそう。ありがとうございます、ユエさ――」


「はーーーーぁあ?去年の夏に作ってやったオレンジゼリーの皮、全部残したでしょ?オレンジの皮を器にしたやつっつっつー」


 話が終わってなかったの!?せっかくティンさんが苦手なキノコを食べられたのに、ユエさんのおかげなのに。ラファルガ君なんてパチパチ拍手してくれているのに。


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