恋人以上、永遠の主人

そうだ、お鍋にしよう！

１９P

「はいっ！おいら、お２人のことをもっと色々知りたいです！昔のこととか、初めて出会った時のこととかっ」


　無邪気な子供って眩しいわね。けれどその発言にティンさんと元気倍増で復活したユエさんも賛同して、今度は３人が身を乗り出してきた。


　カレスまで、何の拍手？しながら「俺もすっごく興味あるなぁ」なんてニコニコ笑顔がまぶしい。


　あたし達の話なんてそんなに面白くないと思うんだけど。それに長い年月、本当に気が遠くなるくらい長い間ずーっと一緒だし話も長くなるんだけど。どれを聞きたいの？


　それでもいいって３人、声をそろえて言うんだから。しょうがないわね。じゃああたしがマクベスに出会う少し前から、晴明様のことを含めて話してあげるわ。


　あたしにとっては皆、体の年齢なんか無視して子供なんだから。昔話を聞かせる母親になった気分で、ゆっくりと昔を振り返る。


「昔々、あるところに超天才かつ超有名な陰陽師がいました。名前は安倍晴明――」