恋人以上、永遠の主人

そうだ、お鍋にしよう！

４P

「この馬鹿、夜通しで見回りをしていたんだけど。昼寝をしていて、皆でお鍋をする夢を見たんですって。だから、急に皆を集めて……」


「いやぁ、俺も呼ばれるなんて勢ぞろいですね。でも、お鍋なんて初めてなので楽しみです」


「おいら、友達と遊ぶ予定があったんですけど。突然の団長命令だったから、鬼が出たんだと思ってまた今度って断ったのに……」


「わ、私は、お部屋と日ごろお世話になっている食堂のお掃除を。お手伝いもしていたのですが、急に呼び出されて途中で放り投げてしまいました。ごめんなさい」


「うはっ、滑稽滑稽こけっこっこっこー。写真撮っとことことこ。ださっ、クスクスッ」


　まぁ、見事に鬼死団の幹部が勢ぞろいね。何があったのかを溜め息交じりに教えてくれたのが、ティンさん。紫色の瞳がギラリ、まだ起きる気配のない彼を睨みつけている。


　いつもの白衣を脱いで腕に持って笑っているのは、医療班のカレス。呑気なことに、あんただけは楽しそうね。


　ラファルガ君とリリちゃんなんて、完全にしょんぼりしちゃってるし。あたし達と同じで、緊急招集だったから鬼の出現だと思ったのよね？ガッカリよね。


　団長とはいえ、暴れん坊と化した馬鹿をベンチにほぼ放り投げたマクベス。しゃがんで、馬鹿の額にデコピンを１発、２発、３発。


　その横で、面白そうにケタケタ笑っているのはユエさん。アキラさんのタンコブをツンツンしながら、ケータイで写真を撮ってる。


　正直、大迷惑だと思っているのが数名。でも皆、こんな大勢でお鍋ができるって思うと楽しそうだからこうしてここにいるのね。


　毎日毎日鬼のことばっかり考えていたら、頭がおかしくなっちゃいそう。やり方はどうであれ、息抜きは必要だわ。