恋人以上、永遠の主人

那月

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主人マクベス

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 傷ひとつない体。あたしの、ナツメの体。人間離れした人間の体。鎖骨の所には気味が悪い鬼の紋様。永久の鬼追いの証。


 永久の鬼追いの紋様はマクベスも同じ。ただ、あたしにはもう1つ特別な紋様があるの。


 うしろ。うなじの部分に晴明様の家紋、五芒星の紋様がある。普段は髪で見えないようになってるけど、ポニーテールだから目を凝らすと部分的に見える。


 これ、自分じゃ鏡を使っても見えないのがちょっと残念。というか寂しいのよね。もっと見やすい手の甲とか、せめて額とか頬だったら格好よかったのに。


 どういう意味の紋様か?そのまんま、あたしは晴明様のモノって意味よ。


「あっつぅ」


 色々考えてたらのぼせちゃう。お風呂からあがったら氷をいっぱい入れた麦茶を飲みたいな。とか考えながらあがって、パジャマに袖を通して髪を乾かす。


 マクベスは大人しく待ってるのかしら?って、まるでペットの犬扱いね。


 つい「クスッ」って笑っちゃったわ。何も音が聞こえないし、テレビも見ないでソファーで待ってるのかしらね?……ちょっと、静かすぎて心配になってきた。


「お待たせ。すぐに温め直すからもうちょっと待ってて」


 髪をくくらないでリビングへ行くと、彼はソファーに座って本を読んでいた。なんだ、メッチャ普通。


 温め直したマーボーナス丼とサラダとお茶をテーブルに並べて、両手を合わせて「いただきます」?普通ね。


 マクベスは何も言わないで食べてるし、食べてくれるのは嬉しいけど静かすぎて不気味。ジーっと見つめていると目が合って「おいしいよ」って言ってくれたわ。


 いや、うん、それは「ありがとう」だけど。そうじゃなくて。うわぁ、この後の話が気になりすぎて気まずいよ。


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