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主人マクベス
2P
しおりを挟むはっきり言って、オフの時は子供。好き嫌いなんて小学生より酷いわ。野菜だけでもピーマン、ナス、トマト、キュウリ、エンドウマメとかソラマメとか青い豆類が嫌い。
辛いものも食べられないし、生の魚なんか匂いからダメみたい。外国の人だから?まぁ、無理矢理食べさせるんだけど。
嫌いなもののどこが嫌いか聞いて、それが気にならないような調理法でメニューを考えて作る。子持ちの主婦って苦労するわね。
リビングに入ってようやく手を離してくれたわ。でも、今度は急に抱き着いてきた。
「…………」
子供だし、大型犬。あたしより頭1個分とちょっと背が高いから、包み込まれてる感じがすごい。つまり暑い。
無言。何も言わないでただギュッと抱きしめる時は、彼が疲れている証拠。ここ1週間くらい毎日鬼が大量に出没して、そのたびに駆け付けて狩り倒してたものね。
ある意味不死身、人間より頑丈で特別な力を持っているマクベスだって人並みには疲れる。オンの時はそんなそぶりは絶対に一切見せないけど、2人きりのオフの時は違う。
「あたしもマクベスも結構汗かいてると思うんだけど?シャワー浴びてから――」
「少しでいい。そこで、少しだけだから……」
「もう、しょうがないわね。10分……30分ならゆるしてあげる。それ以上の延長するなら、晩御飯はコンビニのお弁当に変わっちゃうから」
耳元でボソボソ囁くマクベスは顔をうつむかせたまま離れ。あたしの手を引いて、ソファーにドサッと仰向けに寝転んだ。
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