恋人以上、永遠の主人

鬼死団

１６P

「むぅ…………善処する。早く来い」


「だったら早く、テレポートできる装置を開発すればいい。そうでしょっしょー？」


「超急便を使えば、物でも人でも瞬間移動してくれるだろう？電話１本で呼んで、一瞬で移動できる」


「はぁ？ボクの大事な、大事な大事な研究資金、そんなくだらないことに使うわけないじゃん。有り得ないないなっなっなー。それとも何、超急便代を毎回出してくれるの？の？のー？」


「…………」


　こんな人よ。え、わからない？嘘でしょ？マジかぁ。しょうがないわね。このあたしが噛み砕いて説明してあげるからよーっく見ていなさい。


　彼女の名前はユエ、一人称は「ボク」だけど立派な大人の女性。爆弾と爆発に関する研究が大好きなイカレ爆弾魔。


　アキラさんと同じ２４歳だけど年上だろうと誰だろうと、タメ口だし失礼極まりない態度をとる。けれどたまに、核心を突く発言をする。


　怪しい雰囲気漂う、爆弾魔女だとか色々言われていても気にしない。むしろ楽しんでる人。


　街から離れた山小屋で１人暮らしだし、女性として素晴らしい体だから。お金のために男で稼いでいるとか、根も葉もない噂だってあるわ。


　ユエさんならやりかねないんだけど、もちろんただの噂。噂を確かめるため、遊びで彼女の体を狙いに行った男どもは、怖いことに少なくはない。


　でもそのたびに、アキラさんが未然に防いで制裁を下すの。必ず、未然に。


　アキラさんに守られる彼女。全てが自分中心、自分だけの世界。自分以外の人間なんて皆そこら辺の石ころと同じように見えているんじゃないかしら？