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鬼死団
11P
しおりを挟む――鬼死団本部、医務室。毎日怪我人が尽きない鬼死団のため、結構広く作られていて医者も多い。
「あ、ちょうどよかった。カレス、2人の手当てお願いできる?」
「はい、どうぞこちらへ。お2人とも珍しく大怪我ですね。ん?この怪我は……もしかして、鎧鬼ですか?」
「よくわかったな。俺達の手にかかればそう強くはないが、鎧鬼はなかなか大きかったからな。戦い甲斐があったというものだ」
「楽しそうですね。でも、無茶はダメですよ?仲間を守るのも大事ですがあなた方は俺達の希望、決して倒れてはいけないのですから」
無茶を言うわね。医務室でパソコンと向き合っていたけれど声をかけるとすぐに手を止め、手当てに駆け付けてくれたのはカレス。
医療班に所属している18歳の男の人。白っぽい青の髪に青緑の優しい瞳の前には細い黒縁のメガネがかけられていて、仕事の時はずっと白衣を羽織っている。
背はあたしよりちょっとだけ高いくらいで、マクベスやアキラさんに比べたらそんなに高くはない。顔はまだ若干子供っぽさが残っているのに、とっても大人っぽいからお兄さんみたいなの。
優しくて、とても優しくて穏やかで、心配なくらい欲がなくてお人好し。怒ったところも、大きな声を出したのも見たことないわ。
彼はあたし達とは違って自分の身も守れないくらいに弱い。代わりに治癒、回復魔法が使えるから医療班であたし達を助けてくれる。
複雑骨折とか骨まで達しているような酷い怪我はすぐには治せないけど、多少の切り傷や火傷とか打撲とかなら魔法で治してくれる。魔法って本当に便利よね。
あたしは武器なんだし魔法すら使えないから羨ましい。治癒の魔法が使える人は本当に少ないから、しかもカレスほど高い治癒力を持っているのは珍しいんですって。
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