恋人以上、永遠の主人

鬼死団

８P

「もー、２人とも怪我しすぎよ。鬼死団には爆弾魔がいるじゃない。彼女を呼んで大量に爆弾を投下してもらえばすぐに済んだのに」


　あたしは元の姿に戻って、笑いながらハイタッチを交わす２人の頬を引っ張った。


　マクベスは両腕が、アキラさんは背中が血だらけ。２人とも「大したことない」って言うけど、マクベスはよくてもアキラさんはただの人間なんだからだめでしょ。


　やっぱりというか。今やっと背中の怪我に気付いて、笑顔を浮かべていても額に大粒の汗がにじんでるんだけど。


　馬鹿なマクベスの突進を受けてるんだし、ちょっとフラついているあたりすぐにでも医務室に連行しなきゃ。


「彼女は加減を知らないからな。鎧鬼だけを狙っても周りの人や建物に甚大な被害が出る。爆弾の費用のとんでもない金額を請求されかねないし、それに、呼ぶより俺達で片づけた方が早い」


「そ、それもそう、だけど…………とにかく、アキラさんは医務室！ここの後始末はリリちゃんに任せて行くわよ。ほら、マクベスも肩を貸してあげなさい！」


　鬼死団には“爆弾魔”って呼ばれる女性の団員がいるの。爆弾のことなら何でも知ってるし何でも作れるんだけど大きな問題があってね。


　彼女、面倒くさがり屋なうえにハデなことが大好きで攻撃も必要以上に威力のある爆弾を使っちゃうから。戦場では彼女からかなり離れていないと巻き込まれる。


　作る爆弾の性能は確かなもの。威力の強弱はもちろん、効果の種類も様々なものを作れるけど。でも、その制作費用も研究費用も微塵も惜しまない、むしろ請求しまくるから手に負えないのよね。