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永久の鬼追い
10P
しおりを挟むあたし達でさえわからないことはまだたくさんあるわ。人間とは全く違うわけでもないし、どこまで人間と同じことができるのかも、していいのかもわからない。
とりあえず生まれてから18歳までは普通に、保育園から高校まで進む。体の成長が尋常なく早いから、途中で飛び級するけど。この世界は“永遠の鬼追い”に理解があるから、それが許される。
普通じゃないのは、物心つく頃から特別な特訓が開始されるってこと。
体を鍛えたり。暑さ寒さ毒やしびれなんかの、普通の人間じゃ耐えられないものでも耐えられるように。それから、勉学も体の成長スピードよりも早めに進める。
拷問っていう方がしっくりくるくらいの、スパルタ。それを、自分で進んでやるの。生を受けた時から自分が“永遠の鬼追い”である自覚があるから。
人間にはできないけどあたし達にできることはたくさんある。たとえば、鬼の死体に触れてその鬼の記憶を読み取ることができる。
これは対象の鬼の知能なんかによって読み取れたり読み取れなかったりするんだけど。あぁ、ちょうど今マクベスが赤餓鬼でやってるわね。
「だめだね、餓鬼レベルじゃ全く分からない。お腹がすいた、遊びたいって感情しか伝わってこなかった」
「ほんっとにガキね。もっと頭のいい強い大型の鬼じゃないと、どこで生まれているのかわからないわね」
「早く、終わらせたい……よな。………………あのさ。俺、考えたんだけど。最近の鬼の活動からして、もしかしたら――あっ?」
立ち上がる。赤餓鬼に触れていた手じゃない方の手であたしの手を握り、いつにも増して真剣な顔をするマクベスが飛び上がった。
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