恋人以上、永遠の主人

那月

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永久の鬼追い

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 赤い餓鬼の返り血が顔にもついている。素早く、たくさん動き回ってたくさん倒した。まだ小さな子供なのに、戦場で生き生きしているなんて。複雑よね。


「お疲れ。俺の強さの半分はナツメの力だし、俺1人じゃあ後ろを見られないしからナツメ様様だよ。それに大丈夫、ラファルガ君もとびきり強くて逞しいよ。動きは俺よりも速いしね」


「う、後ろは見えないのが普通だと……で、でも、そう言ってもらえてうれしいです!ありがとうございます!」


 あたしもそう思うわ。マクベスは背後も見えない自分なんてって低く見てるけど、背後なんて見えないのが当然でしょ。ひきつった笑顔のラファルガ君が複雑そう。


 って、あれ?褒められて照れているラファルガ君が頭をかいている、その上げられた腕が赤く見える。


「あ、腕が切れて火傷になってる。あの新種の餓鬼に引っかかれたんでしょ。応急処置してあげるから、動かないでよね」


「すっ、すみません。ナツメさんのお手を煩わせるなんて……痛っ」


 ケガをしているのも気づいてなかったみたい。いつの間にって顔をして、なぜか直立不動の状態であたしの処置を受けているわ。


 いつも持ち歩いている綺麗な手ぬぐいを割いて、傷口をしっかり縛ってすぐに医務室へ行くよう勧める。


 もう1度「ありがとうございました!」と深々頭を下げたラファルガ君は、元気に走って医務室へ直行。


 本当は治癒の魔法とかが使えればいいのに。あたしにも、そしてマクベスにも魔法を使うすべはない。その代わりに持っている、唯一無二の特別な力。


 彼があたし達を呼んだのが早かったから、軽い怪我をした人が数人だけで済んだみたい。もちろんマクベスはかすり傷どころか、赤餓鬼に触れられてもないわ。


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