恋人以上、永遠の主人

那月

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永久の鬼追い

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 転生の時に引き継ぐのは魂――記憶と能力と、名前。膨大過ぎて忘れちゃった部分がほとんどだけど、平安って呼ばれてる時代のことはよく覚えているわ。


 女性の時の記憶も心も持ったまま、男性として生きるんだからね。男性は男性なりに大変なんだなぁって、つくづく思い知らされた。


 マクベスはちょっと変わってて、晴明様と出会った時からマクベスって名前だったから外国の人らしい。詳しいことは教えてくれないんだもの。


 誰にも言いたくないことは頑なに隠す。笑って、上手く話をそらして逃げられる。いつもそう。


 晴明様はマクベスのこと、知ってても絶対に教えてくれなかった。だって彼はとってもイジワルだから。泣いて懇願すれば「滑稽滑稽」って笑うのよ。教えてもらう気も失せるってものよ。


 そのうちに、別に知らなくてもいいやって思うようになったの。どこから来たどんな外国人でも、マクベスはあたしが知るマクベスなんだから。


「ご心配、悼み入りますー。あ、4体後ろから来てるわよ」


 マクベスがかかろうとした赤餓鬼の団体様はラファルガ君がもうすぐ倒し終わる。あたし達は散らばった残りを次々倒していったわ。


 実際は50体以上いた赤餓鬼が、ものの3分で赤黒い山に姿を変えた。こんもり山盛りね。


 遠くにいた最後の1体なんて、逃げられそうになったからってマクベスが投げたエクスカリバーで刺し貫いて倒したのよ。あーあ、また投げたわ。あたしじゃなかったからよかったけど。


「ご助力、ありがとうございました!やっぱりマクベスさんはとてもお強いですねっ」


 とりあえず赤餓鬼の残骸は鬼死団に任せて、あたしは鬼斬り丸から人間の姿に戻った。マクベスもエクスカリバーを消すと、鉤爪を外したラファルガ君が走ってきた。


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