恋人以上、永遠の主人

那月

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プロローグ

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 あたし達、千年以上もの長い間、数えきれないくらい死んだの。数えきれないくらいの記憶を持って転生して、ずっと鬼と戦ってる。馬鹿の一つ覚えよ。


 戦い続ければ、いつかは必ず終わりが来るって信じてるから。せめて鬼が発生する根源を見つけて滅することができればいいんだけど。


 最近妙に鬼達の様子がおかしいのよね。何かの予兆じゃなきゃいいんだけど。


 ……嫌な胸騒ぎがするわ。少しだけど、心の中がザワザワする。千年以上生きてきて、こんな風になるのは初めてよ。


「どうした、物思いにふけって?恋か?俺で良ければ相談に乗るよ」


「違うわよ。もしそうでも、あんたにだけは絶対に相談しない。呼ばれたんでしょ?さっさと行くわよ」


 ゆっくり休んでなんかいられない。鬼は昼夜問わず、いつでもどこでも出没するんだもの。地域住民からの目撃情報があればすぐに飛んでいくわ。


 あたしと同じ宿命を背負ったマクベスがあたしを呼びに来た。行くのね、鬼を討ちに。


 真昼間に餓鬼が50体以上?馬鹿じゃないの。鬼死団なら余裕でしょ。え、いつもと色が違う餓鬼?しょうがないわねぇ……


 せっかくの休日なのに。まぁ、どれだけ嫌でも、あたしはマクベスの武器なんだし、拒否をすることも逃げることはできないのよ。


 そう、投げ出すことはできないの。今の時代の人間達は鬼と戦える術を持ってる。でも、大型の鬼を滅するのはあたしとマクベスにしかできない。


 もしもあたし達が投げ出してしまえば人々はたちまち鬼に食われ、この世界が鬼だらけになってしまう。7年前のあの時のようにね。


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