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それぞれの暮らし
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しおりを挟む「轟木君、ちゃんと動けるようになるまでここにいていいから。僕達は君の協力がないと正しい記録も結果も残せないし、前に進めない。何より、君を治すこともできない。今後はこんなことがないように」
ドクトルはいつもの、おちゃらけた変態ドクトルなのに医者のドクトルが垣間見えて。ソランさんも、直也を注意して記録を取るだけで。
今回飲ませた薬が入った紙袋を、なぜか笑也に持たせて。一瞬だけ俺と悠一にチラッと目を向けて、小さく溜め息。
2人とも、さっさと退室しちまった。笑也に支えられながら立ち上がった直也、まだ汗が止まっただけで具合が悪いのに。
でも、なんだか……もしかして俺達って、いない方がいいのか?
「直也、もう1回薬を飲んで帰るぞ。帰って、ゆっくり休みなさい。笑也はそのまま、直也を支え……って!?」
「いや、移動するならこっちの方がいいでしょ。どうせ、ロクに動けないんだし。あー、暴れるなよ面倒くさい。前が嫌なら、後ろで大人しくしてください」
笑也がしっかり、直也を管理しているというか。紙袋に手を突っ込んでつまみだした薬をグッと直也の口に突っ込んで飲ませて。そんでもって、抱き上げた。
もちろん、顔を真っ赤にした直也が暴れて暴れて。ゴツンッ!頭突きを食らって、目を回しているうちに今度はグルンッと直也の背中へ。つまり、おんぶ。
あ、落ち着いた?顔は赤いまま、大きく息を吸って吐いて。もう1回大きく息を吸って吐いて。目が合った。
「ごめん。こんなはずじゃ、なかったんだよ。もっと我慢して、免疫をつけたら早く治るって思ったのに。こんな、格好悪い」
こんな時に格好悪いとか気にするとか、直也らしい。俺はクスッと笑って、直也の頭を撫でてやった。
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