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涙
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しおりを挟む直也を引き取ってから我慢できたのは1日だけ。昨日の深夜、1度は寝ていたがムラムラしてシオンを起こし抱いた。朝まで。
「まぁ、恋人同士なんだから覚悟はしてたけど。正直、ムカつくんですよね。先生が察しているように僕、初めてネコヒメを買った時から彼のことが好きだったので」
「お前達があの用具室で商売している時、たまに俺はその裏でタバコを吸っていたんだが。すごく楽しそうだった」
「とか言って、本当は聞きながらヌいていたんじゃない?悪趣味だなぁ、先生?」
「楽しそうだった以上に、お前はいつも途中から余裕がなくなっていた。直也。お前があそこで抱いていたのはネコヒメじゃなくて、シオンだろう?本気で愛していたんだろう?」
「拉致監禁、複数人でレイプしてオモチャにしたあげく正体をさらさせたのに?いいことを教えてあげるよ、先生。人間の、愛と憎悪は表裏一体だってね」
「お前のあれは憎悪だろう。だがあれは、今思えば爆発した愛の裏返しだ」
シオンをネコヒメにした、開発し素質を開花させたのは直也だ。当時のシオンは「ただのヤりたがりの変態」と直也を言っていたが、商売にして続けられたのは直也のおかげだと思う。
ネコヒメの1番の客として直也が、大事にケアをしてきた。シオンを好きな想いをひた隠して、けれどネコヒメを買い抱く時だけは隠しきれなかった。
用具室の外にいる俺でさえ感じた、直也の熱く切ない想い。「シオン君」と、時々名前を呼んでいた。シオンだって気付いていた。
それだけならよかったのに。直也がネコヒメではなくシオンを愛することを受け入れて、想いを伝えていれば。シオンなら受け入れていた。直也もシオンも幸せになって、違う未来を進んだはず。
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