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涙
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しおりを挟む「ん、シャケか。しかも味ついてないやつ?あれ?もしかして昆布もある?あ、え?嘘。マジで。黄色…………た、たくあんまで入ってる、なんて……っ」
「お前、なかなか渋いもんが好きなんだな?いや、悪くはない、意外だってだけだ。そう睨むなって」
「僕の好物、全制覇された。なんかムカつく。しかもやたら美味いし。うま……うま、めちゃうま……」
あー、話をしようと思ったのに。直也、食欲が覚醒したな。好物のおにぎりだし、空腹だし、当たり前だがシオンの手料理は美味いからガツガツ食いだした。
塩とかしょうゆとか、味付けのされていないただ焼いただけのシャケが好きなんだと。しかも実は熱いお茶を飲みながらたくあんをかじるのが好きとか年寄り臭い。
大学ではたくあんが好きなことは「誰にも言ってないのに」と、不思議そうな直也。きっと、ユキでストーキングでもしたんだろうよ。
俺、直也の好物を知って印象が変わった。若ジジイって呼んでやろうか。なんて考えながら、すごいことにもう巨大おにぎりを半分食った直也を見つめる。
「直也、さっき俺が言ったことを覚えているか?」
さっきは直也の本当の思いを理解しようと声をかけたが、すぐにおにぎりに意識が移ってしまったからな。忘れたか、俺の声なんて聞いてすらなかったかもしれないと思ったが。
「覚えてますよ。僕、地獄耳だし。おかげで昨日は寝れなかった。わざとじゃなかったらもっと、年上らしく自重してください」
昨日、か。頬についたご飯粒を拭いながらジトッと睨んできた直也から、思わず顔を背ける俺。
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