630 / 756
譲渡会
11P
しおりを挟む「――なんか。殺処分寸前だったのに譲渡会に出てみたら新しい家族に引き渡された、って感じだなぁ」
「家族っ!?」
道中、悠一が中心になって擬人化種について直也に説明していたらあっという間に我が家に着いた。
で、車を降り緊張した様子で家の中に足を踏み入れた直也。小さく「お邪魔します」って呟いて、リビングに入るとキョロキョロ。
少ししかない私物を胸に抱いて、思ってもみなかった爆弾発言。俺と悠一も驚いたけどさ。1番は、言った本人が「えっ?」と驚くっていう。
「保護観察だ。悪いが、どうしてもお前は家族のようには見えないし扱えねぇ。シオンの親友が異例の長期間、ホームステイするって考えてる」
「すっげぇ嬉しかったけどさ、俺も、直也は家族って言うより親友だな。これからよろしく」
まずはその荷物を置くためにも、直也が使う客間へと案内する。途中で通る風呂場とトイレを教えればより一層、譲渡会で引き取った猫?犬?しつけみたい。
六畳の和室。押し入れに布団があって、壁際に座卓が1つあるくらい。部屋を壊したり汚したりしなけりゃ好きに使っていいから。
そう声をかけると直也はカーテンを半分閉めて「はぁ」と溜め息を吐きながら、暗い壁際に腰を下ろした。
「先生さぁ、僕が市長さんにいじめられてるからって同情して引き取ってくれた感じなんでしょ?そういうのいいから。僕はそれ相応のことをしたから罰を受けた、反省もしている。僕は家族なしで生きていく。1人でいい」
直也が刑務所で過ごしている間、香さんから虐げられていたというのは香さんからの報告と直也の様子でわかった。
出所後、香さんのもとで保護観察期間を過ごすのは危険だ。だから悠一は引き取った。それを、直也は気づいた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる