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再会
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しおりを挟むやっぱり市長だから?素直に言うことを聞いて、得体のしれない錠剤を飲むとか。いや、市長だからというよりは指導係だからって感じか。
香さんと直也はこの1年、何度も会って言葉を交わした。直也は生粋の人間だから、香さんは妖孤の目を使っても直也の心はわからない。
けどさ、何ていうか、信頼?多少は直也が香さんを信頼しているんだなってのが、直也が入ってきて香さんと目が合った時に感じた。
「な、直也……?どう、平気……?」
「マズ…………………うっ!?何、これ……っ」
ゴックンしてからもう一口水を飲んだ直也は、自分の体の具合に意識を集中させ。あまりのマズさに顔をゆがめて、次の瞬間、バタンッ。
いや、思わず「な、直也ーっ!!」て叫んじまった。だって看守が、手を伸ばしもしなかった。
一瞬で意識をなくした直也の体は椅子の横に崩れ落ちて、大きな人形を扱うように直也の腕を引っ張り上げる。そんな、無表情な看守が香さんに目を向ける。
「ふむ。やはりただの人間にはちとキツすぎたか。しばらくは目を覚まさぬじゃろうから、部屋に戻しておきなさい。今回の面会はこれで終いじゃ」
えっ、それだけ?ガラス越しに直也の様子を、顎に手を当てて眺めていた香さん。看守が軽くうなずいて、直也を抱えて部屋を出ていくと溜め息を吐いた。
「薬の改良は必要じゃが、あれで命の危険性はない。そう心配せずとも、多少体温が下がりすぎて血圧が下がったくらいじゃ」
はぁ?「体温が下がりすぎて血圧が下がったくらい」だって?「くらい」って、直也は倒れたんだぞ?しかも俺は見た。倒れた時、直也は椅子に頭をぶつけていた。
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