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対談
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しおりを挟む「あんまり考えすぎるとハゲるぞ?あなたはもう死んだんだ、体もない。できることはない。今のことは、今を生きる俺達に任せればいいんだよ。それでどうなろうと、俺達の責任だ」
「…………」
「あなたが生きていた時、擬人化種達から信頼され王にまでなった理由がよくわかった。あなたは擬人化種全てを愛している。全員の幸せを願っている。けど、それは不可能だ。わかるだろう?」
「……フッ。この我に説教か?」
「俺は事実を突きつけているだけだ。慈愛の心と強大な力を持っていても、限界はある。どうあがいても不可能なことはある。だから――」
「もういい。わかった。我は、不可能から目を背けていた。我ならばできる、我がやらなければならないと背負いすぎた。思えばあの戦争も、そんな我の頑固さが招いたのかもしれん」
「やっと軽くなったな?黒の王、あなたがあれやこれや背負いすぎていたせいで体が重かったんだよ。シオンも言っていたぞ」
「あぁ、なんだか心が軽くなった。お前はシオン君の言うとおり、ヘタレのダメオッサンだが。こういう時には頼りになる」
「一言多いって」
「感謝している。我の力を引き継がせるにふさわしい者だ。……あぁ、さて。亡者は軽くなると天に召されやすくなるのか?」
「俺も話ができて良かった。この力も、シオンを守る、ゆくゆくはあなたのように擬人化種を守るのに役立てられる。大切にする。なんだ、逝けそうになったのか?」
「力は全て馴染んだ。残ったこの魂も、そうだな。もう、気を抜けば昇華してしまいそうだ」
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