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黒の王
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しおりを挟むけど、黒の王の表情は暗いまま。口を閉ざしてしまい、スゥッと、俺の中に消えた。
「今でこそわしが擬人化種で最強だと言われておるが。かつては黒の王こそが最強じゃった。“王”と呼ぶにふさわしい、圧倒的な力とそれを上手くコントロールする精神と高い知能。わしなんぞよりもはるかに慕われておった」
香さんが「ふぅ」と溜め息を吐けば、俺の中の黒の王が俺の口と声を使って「「かいかぶりすぎだ。我は弱い」」と言う。
な、なんか体が勝手に動くのって変な感じだ。俺と、黒の王の声が重なって聞こえる。
「……それは、あの時のことを言うておるのか?あれはわしでも、他のどんな強い力を持った擬人化種でも、避けられぬ運命じゃった」
また、香さんと黒の王にしかわからない話かよ。ということは何十年も前の話か。
俺の中で背を向けている黒の王。口を閉ざし、今度は目も閉じる。俺が声をかけても、黒の王の気配が遠ざかっていく。
モヤモヤする、イライラする。これってもしかして、黒の王の心?
俺が黒の王の存在を自覚して、会ったから。俺の体の中に入っている黒の王の心と俺の心がつながり、共鳴する。
感じるのは後悔と、深い深い悲しみ。それからイラだちと、怒り。
「150年前まで、黒の王は今のわしと同じことをしておった。世界中に散らばる疑似化種達に声をかけ、この世界で幸せに暮らせるよう人間との共存を目指そうと。しかしそれは2人の人間により幕引きとなった」
香さんは窓を開け、吹き込む風に髪を弄ばせながら俺達に言った。「戦争じゃ」と。
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