474 / 756
ずっと見ていた
1P
しおりを挟むグッと首筋に押し付けられたメスは、しかしそれ以上動かない。メスを握る千川原の手に重なった、ゴツい手がゆっくり離れさせる。
「お前さんが死んだら、誰が吾輩の補助をする?誰が吾輩のセックスの相手をする?薬品庫の在庫管理も、吾輩の処方の確認も。被験者達のカウンセリングもやってくれていただろう?お前さん以外にできる人がいるか?」
「ど、ドクトル……離せよ。僕は、ネコヤンさんとシオン君の仲を認めても諦められないんだ。こうするしか、死ぬしか僕は――」
俺が見たのは、突然後ろからバサバサッ!と黒い何かが突っ込んできた。そしてその黒い何かはバサッ!と大きく翻る黒衣に変わり千川原の姿を隠す。
まるでスローモーションのようにゆっくり黒衣が落ち着く間に交わされた言葉、そしてその後姿から乱入したのがドクトルだと知った。
怒りと悲しみ、それから酷い焦りの入り混じったドクトルの声。口癖の「たぶん」や「かも」が混じっていない真剣な言葉、声に、こいつは本当にドクトルか?と疑いたくなる。
千川原の目にはどんな表情のドクトルが映った?俺には見えない。だが今まで見たことがないほどに真剣なドクトルは、千川原の手を下ろさせた。
カラカランッ。床にメスが落ちるとドクトルが何かしたのか、千川原は気を失い倒れた。
「バカが。お前さんは疲れすぎたんだ、ゆっくり休んで頭を冷やせ。……………暗く狭い檻の中で、何もかも押し付けて悪かった、かも」
苦しそうに呟いたドクトルの声が、震えていた。千川原の監視役として、ドクトルにも思うところがあるんだろう。ギュッときつく抱きしめ、溜め息を吐くとやっと振り返る。
苦笑。いつもは千川原に抱かれているドクトルは、気を失っている千川原を抱きかかえて俺とシオンのもとへ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる