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人間、よろしく
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しおりを挟む何があったんだよ?俺を帰らせるための演技、じゃねぇよな?何なんだよ。何でそんな、悲しい顔をするんだよ?
「猫屋敷さんが、行方不明になりました。君が彼の元を離れてすぐに彼がライ…………彼を保護したんスけど、そのすぐあとにいなくなってしまったんス」
あ。いやだ、聞きたくなかった。保護したって言った時にチラッと男の方を見たから、たぶん人間の前では言えないことか。
俺が保健室から飛び出したあとに悠一は緋桜さん、それからたぶん香さんに保護されて?そのあとにいなくなった?
さらに言葉を続けようとするが、男を気にして口を閉ざす。やがて緋桜さんはゲジゲジを噛み潰して飲み込んだみたいな顔をすると、立ち上がった。
1歩ずつ下がって、ドアの前まで来ると背を向ける。
「……千川原さんも同じ時間に姿を消して消息不明。今、香さんとドクトルさんが2人を捜索しています。君に猫屋敷さんを探す決心がついたら、電話をください」
その言葉の意味を、緋桜さんの思いを理解したくなかった。でも、理解してしまった。
もう2歩進んだ緋桜さんは「信じています」と言って、外にとめてあった車に乗り込みそのまま、振り返ることなく発進。
俺は、動けなかった。差し伸べられた緋桜さんの手に触れることもせずに、ただただ、震えていたんだ。
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