ユキ・シオン

蛇は卵を丸飲みします

１８P

　まだかろうじて出る声で、熱く荒く息を吐きながらも懸命にやめるよう叫ぶが。彼の耳には届かない。


「やっと……やっとまたあなたを感じられる。不自由なく暮らすためとはいえ、あんな変態なドクトルの相手をするのも嫌で嫌で仕方がなかった。たまに僕を抱こうとしてきた時は全力で死守したよ、僕のコッチ」


　右手で俺の竿を扱きながら、左手で自分のズボンとパンツを脱ぎ捨てる。頬を赤く染め俺を見下ろす千川原は、そう言って左手を自分の後ろへと持って行く。


「ん、っ…………僕のここに入っていいのはネコヤンさんだけだから。ずっと、待ち望んできた。はぁ、んん…………もうイきそうで辛いんでしょ？今、楽にするから……」


「やめ、ろ……こんな行為に、俺からの愛なんてない。くっ！」


「それは僕の腕の見せ所。あなたの心を手に入れて、必ず僕しか見えない、僕しか愛せないようにするんだ。大丈夫、邪魔な白猫が消えればすぐにそうなるから」


　グチャグチャと、卑猥な音を立てて千川原の指が自分の穴の中を拡張していく。さらけ出された千川原の竿の先端からは透明な液が垂れていてポタリ、俺の腹に落ちる。


　俺との行為のため、抱くことはあってもドクトルにどんなに迫られても決して足を開かなかった。


　穴の入り口が赤く色付き、興奮しているのは、ただただ一途に俺を愛しているから。たとえそれがゆがんでいてしまっても、その強い想いは確かなもの。