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からみつく
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しおりを挟む「悠一、ここに昔いたんだっけ?嫌な思い出でもある…………んだよ、な」
俺を見つめてはいるが微笑むだけで、硬く口を閉ざしている悠一。伸ばした手で頬を撫でるとその手首をつかまれ、そのまま下ろされた。
「そうだな。だから、静かにしていないといけないんだ」
そう言って悠一は俺の手を離して、苦笑。わざとだ。わざと、俺に触らないようにしている。
悠一に触られたら俺も甘えてしまうし、俺の甘えに悠一はキスをしたい衝動を抑えられなくなる。キス魔だし?そしたら歯止めが効かなくなって……
やだ、触りたい。静かにしているからさ。肩が当たるくらい詰めて隣に座って、手をつないでいるくらい、いいだろ?
「俺さ、本当は検診が怖かったんだ。知らないところに連れてこられて、変な機械にかけられて。あの注射も、腕を縛られた時点で何をされるのかが不安で怖かった。でもさ、悠一がいてくれたから我慢できた」
「俺はただ、ドクトルがシオンに手を出さないか見張っていただけだって」
「それでいいよ。ドクトルってさ、やらなきゃいけないことはちゃんと、真剣に取り組むタイプだろ?だから検診している時は絶対に、ふざけねぇ」
「かいかぶりすぎ。合間に襲われた被害者の数知れずって感じだぞ」
俺は悠一の隣に座って、指を絡めるように手を握った。本当はもたれかかりたいけど、そんなことをすれば悠一に顔を背けられそうだから我慢。
2人っきりになったらイチャイチャしたくなるのを堪えている悠一の努力を、無駄にはしたくないしな。
悠一は昔、香さんに保護されてからしばらくはこの研究所で過ごしていたんだってさ。
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