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烏合の衆
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しおりを挟む挨拶をしようとしたらさらに悠一に腕を引っ張られて、店長の腕にも力が入った。たまらず声が出て、男が舌打ち。
「相変わらずですね、猫屋敷さんに本庄さん。玄関に5人なんて狭いんスよ、邪魔ッス。どけ」
「「あだだだだだだだだだだっ!?」」
本庄さん?誰それ?あ、そういえば店長の名前か。いつも「店長」か「先輩」で呼んでいたから、すっかり忘れていたし。
いや、それよりも。この男、1歩踏み出すと右手で店長の、左手で悠一の耳を引っ張り上げたぞ。しかもグイッと捻り上げるように、その高身長を生かして高々と。
喧嘩を白熱させていた2人は突然の激痛に、そろって絶叫。涙がにじむ目を見開く。
氷のような冷たいセリフ、表情に2人の顔が凍りついた。女の店長にも容赦ねぇなぁ。男が口を開くとササッ!と2人は飛び退く。あ、争奪戦を制したのは悠一な。
俺は悠一に手を引かれて、一旦リビングへと移動。たしかに、玄関に5人もは狭い。リビングの解放感がすごかった。
「相変わらずなのはお前だろう、緋桜。容赦ないなぁ。いててて……」
「ほんっと、耳がちぎれちゃうかと思ったわよ。暴力反対!」
男の、2人の扱いといい2人の態度といい、知らねぇのは俺だけかよ。香さんの付き添いってことは、やっぱりこの人も擬人化種だよな?
香さんの荷物を壁際に寄せて、香さんに促されて上着を脱いだ男は改めて俺に向き直る。
「初めまして。香さんの秘書をしております、真藤緋桜と申します。白猫ッスよね?香さんからよく話をうかがっていますよ。ご想像通り俺も擬人化種、イヌワシッス」
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