ユキ・シオン

那月

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ぬくもりのなかで

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「別れた。もう俺にはお前しか見えないから。後腐れもなくスッキリ別れて、お前だけを大切にするって決めた。だからもう、気を遣うことはない」


 ドクンッと、心臓が跳ねた。細められる黄色の瞳。いつもの先生らしくねぇ、真剣な顔で俺を見つめる。


 え、別れた?あのアホな女と?驚いたが、その何倍も嬉しい。サイテーだな。俺、あの女から先生を奪ったんだっていうのに。


 俺が何も言わないのを良いことに顔が近づいてくる。鼻先が触れ合うほど近づいてきて、俺の心臓が暴れ回って苦しい。息ができない。


 なんとか息を吸いこめばたちまち、先生の匂いが肺の中に流れ込んで俺の体を熱くする。感情の高ぶりに潤んでしまう目も、震える唇の間から吐き出される息も熱い。


 まるで蛇に睨まれた蛙。先生の鋭くも優しい瞳から目が離せなくて、俺の口はパクパクと開いたり閉じたりを繰り返すばかり。


 先生の、俺への想いはわかった。でも、それで告白のつもりかよ?


「っ……ちゃんと、ハッキリ、はぁっ、言ってくれねぇとわかんねぇよ。はぁっ……俺、こんな気持ちになったの、初めてだから……っ、はぁ」


「生意気なガキが……!はっ、はぁっ…………ならお前も教えてくれよ。俺にどんな感情を抱いているのか、どうしてここがこんな風になっているのかをっ」



「んひゃあっ!あっ、だめ、そんな、グリッてするなぁっ……はぁっ、はぁっ、はぁ、うぅ……」


 最低だ。卑怯だ。もうお互いの強い匂いに溺れる寸前で、なんとか必死に理性を保っているっていう時に。先生は俺の下を足でいじめてきやがった。


 俺は仕返しにと体を伸ばし喉に軽く噛みついてやって、先生の体がビクンッ!と震える。ざまぁ。


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