ユキ・シオン

真実と嘘と現実

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「ユキや。真剣な話だけれど、アタシは嬉しいよ。そこまで一生懸命になれる大切な人ができたのが、ユキを大切に想ってくれる人ができたのが、心から嬉しい。苦しい話なのに、こんなアタシに打ち明けてくれてありがとうねぇ」


「え……けど俺、まだまだばっちゃんに隠してることがあるし。そんな風に言ってもらえるようなこと……」


「アタシはユキを信じてるよ。どんな隠し事をされていても、ユキが自分から話してくれるまでアタシは待ってる。それに隠し事なんて、誰もが皆持ってるもの。アタシだって、あるかもしれないわねぇ」


　ばっちゃんが隠し事？コロコロと笑うばっちゃんを見ていると、冗談っぽい。でもきっと冗談じゃないんだろうなぁこれ。


　俺を信じてる、か。そんなの、初めて言われた。なんだか胸の中が温かくなって、俺まで笑みがこぼれる。


　まるでばっちゃんは魔法使い。俺の気持ちがわかって、俺に色んな初めてを教えてくれて。色んな感情にさせてくれる。


「アタシはユキが大好きじゃよ。本当は、病気で体が痛い時がよくあってねぇ。でも、ユキと一緒にいると痛みが消えるんじゃ。いつも、元気をもらっておるよ。じゃからユキが悩み、苦しんでいたら力になりたい。アタシの全てを捧げてでも、ユキには幸せになってほしいと願っておる」


「な、なんだよ急に。何かちょっと、縁起でもねぇことばっかりさぁ」


「ユキや。その人のこと、好きなんじゃろう？」