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先生に拾われました
8P
しおりを挟む俺の腹が鳴ってしまいそうな、食欲をそそるいい匂いが漂ってきて。それがシオンが作っている朝食の匂いだと気付くと俺の足は、勝手に進んでいた。
「……よし、完璧。さすが俺。あとはコーヒーを……うにゃあっ!!?」
超ビックリ。あのシオンが、楽しそうに笑みを浮かべながら卵焼きを焼き上げていたんだよ。そしてマグカップを2つ手に持って振り返った瞬間、目が合った。
だって俺、真後ろにいたし。そりゃあ驚くわな。跳び上がるほど驚いたシオンに、俺も驚いた。
50センチくらいは跳んだんじゃないか?というか、今の「うにゃあっ!!?」って。とっさに飛び出した叫び声が「うにゃあっ!!?」って。うっ、クックックックッ……
不意打ち怖い。腹筋崩壊する。我慢なんかできるはずもなく笑ってしまい、素晴らしい蹴りを食らった。はい、すみません冷めました。うぅ。
「おはようさん、シオン。お前、料理できるんだなぁ?何を作ってくれたんだ?」
「お、お、お、驚かせんなよなっ!ったく、こんな時間までグゥタラ寝やがって。何って、朝……昼飯にサンドイッチ、喫茶店風。コーヒー飲めるだろ?」
「喫茶店風?あぁ、ブラックしか飲まないけど」
「わかった。あんたも猫舌だろ?アイスコーヒーにしといたから、そこで座って待ってろよ」
ほう、すっかり普通に喋れるようになったみたいでよかったよかった。両手が塞がっているシオンに蹴られた俺は椅子に座って、大人しく待つ。
なんか、変な感じ。朝――もう昼だったな――起きたら飯が用意されているなんてなぁ。しかも手作りとか。しかも男とか。しかも生徒とか。
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