警察の犬は雨天がお好き

ハッピーバースデー

２１P

「俺にメチャクチャに、ドロッドロにされるのがわかってるから。楽しみすぎてドキドキを隠すためにケーキに逃げてんだな。フッ………………燃えてきた」


「えっ！！？むぐうぅっ！」


　あ。ケーキが柚樹さんに変身した。なんか、頬が赤くなった、すごく嬉しそうというか上機嫌なニッコニコの柚樹さん。


　次の瞬間には、口の中いっぱいが甘い。喉の奥まで、ケーキ！残りの全部、突っ込まれた！？


「ん、ひょし、モグモグモグモグ……これふぇ、モグモグ、んぐっ、う…………ゴフッ！ケーキはなくなったな。よし、レッツゴーだ」


　柚樹さんも自分のケーキの残り――半分くらいあったと思ったけど――を口に詰め込んで、ゴックン。いや今、ちょっと詰まらせてなかった？むせてたし。


　というか。僕、柚樹さんを甘く見てた。ケーキがあまりにも甘くて美味しいから。まさか彼がこんな強硬手段に出るなんて。


　邪魔なケーキはなくなった、だからお楽しみの時間だって？…………恐怖の時間だよっ！！


　まだ口の中のケーキを喉の奥に押し込めなくて、拒否もできないでモゴモゴしている僕を強制的に抱き上げて連行。


　行き先？そんなの、寝室に決まってる。って、ちょっと待って。


　柚樹さん、僕を抱き上げてるんだけどさりげなくワインボトルも持ってるんだけど！？それ飲みながらするってこと！？


「ん？あぁ心配するな、これで殴ったりなんかしねぇから。フフッ、なんだかいい気分だ。久しぶりに飲んだからな、ミナギも可愛いし、朝までブッ続けでヤれそうだ」


「ゆ、柚樹さんが酔っぱらってる。いや、柚樹さんができそうでも僕はきっとできないからねっ！？」