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番犬
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しおりを挟む「えー、何それ?大丈夫だよ。僕、こーゆーの慣れてるから。ほら、僕は警察の犬だし?今まで何人もの人を傷つけたり殺し――」
「なら、俺のために泣け。最後の命令だ。警察の犬はクビだ、ミナギとしていろ。もう決めた。お前は今から元警察の犬、俺の家族だ」
今、言いかけたな。ミナギは今まで人を殺したことがあると。知っているさ。調べたからな。
俺は突然課長に昇進し、ミナギの飼い主になってから成績がグンッと上がった。給料も上がった。おかげで、同僚から恨まれることも多くなった。
命を狙われるほどに。
たまにミナギが俺の車を使って姿を消していたのは、俺に殺意を向けてきた同僚やその手下を見つけ処分するため。
命を奪うことも、あったんだろう。罪は重い。存在しないのならと思ってやったのかもしれないな。
俺は職業柄、血の匂いに敏感だ。帰ってきたミナギからいつも血の匂いがしていたので、何となくそんな気がして。毎日わずかな時間を作って調べていた。
調べて調べて。ミナギのことも知ってしまった。だから、俺は決意した。ミナギを俺の家族にしよう、と。
「なっ、何の冗談?やめてよ、クビ?家族なんて……。や、だ……嫌……だめ、嫌だ嫌だ、嫌だっ、家族なんか!お願い、何でもするから俺を犬に――!」
ミナギの顔から笑みが、剥がれ落ちた。笑みの下から見えたのは本当の〇〇君。お前はずっと俺の前で、皆の前で“ミナギ”を演じ続けてきたんだ。
やっと会えたな。お疲れ。もういいんだ、○○君もミナギも、1つになろう。
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