36 / 123
未知との出会いモッチモチ
12P
しおりを挟む――俺にネクタイをプレゼントしてくれた。毎月、少ししか出せなかった小遣いをしっかり管理して、この時のために残していたんだと。
俺に似合うからと。わざわざ、真っ先にネクタイだけでお会計をして自分で支払って、ラッピングもしてもらって。帰りの車の中で渡された。
「今日は僕のわがまま、いっぱい聞いてもらったから。それにいつも僕に仕事をくれて、居場所を作ってくれて優しくしてくれて。僕の……良い飼い主をしてくれるから」
そう、はにかむように笑ってハンドルを握るミナギ。いやいや。
「わがままなんて思ってない、これは休日だ。仕事は俺の仕事を手伝ってもらっているだけだし、危険なことだってやってもらっている。居場所も、戸籍がないお前を俺が放っておけるわけがないだろ。俺がお前の飼い主なのは仕事の時だけだ、飼い主というより仕事のパートナー。プライベートでは家族、そうだろ?」
俺はミナギを引き取った。けどな、俺の方がミナギに助けられてんだよ。仕事もそうだが、家事とか。
それに、家に帰ると「おかえりなさい」って言ってくれる人がいるのは良いもんだ。たとえ手に絆創膏がいくつもあって、長袖の下に包帯が巻かれていても。
警察の仕事の手伝いなんて、いつ何が起こって命を落とすともわからないのに。それを自らすすんでこなすのが、警察の犬であるミナギの性。
けどな、ミナギと暮らすようになってから俺がよく笑うようになったって職場のやつらに言われてんだ。生活が明るくなったって思う。
「真面目。1つ1つに答えるなんて、藤代さんらしいなぁ。そうそう、プライベートでは僕は藤代さんの家族、甥っ子だもんね」
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
両腕のない義弟との性事情
papporopueeee
BL
父子家庭で育ったケンと、母子家庭で育ったカオル。
親の再婚によりふたりは義兄弟となったが、
交通事故により両親とカオルの両腕が失われてしまう。
ケンは両腕を失ったカオルの世話を始めるが、
思春期であるカオルは性介助を求めていて……。
とろけてなくなる
瀬楽英津子
BL
ヤクザの車を傷を付けた櫻井雅(さくらいみやび)十八歳は、多額の借金を背負わされ、ゲイ風俗で働かされることになってしまった。
連れて行かれたのは教育係の逢坂英二(おうさかえいじ)の自宅マンション。
雅はそこで、逢坂英二(おうさかえいじ)に性技を教わることになるが、逢坂英二(おうさかえいじ)は、ガサツで乱暴な男だった。
無骨なヤクザ×ドライな少年。
歳の差。
三人の人妻が旦那に黙ってハードゲイのダンスショーをみに行ったら、旦那達がハードゲイの衣装を着てダンスショーしていた!?
ミクリ21 (新)
BL
妻に秘密があるように、旦那にも秘密があった……みたいな話。
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる