警察の犬は雨天がお好き

那月

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未知との出会いモッチモチ

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「美味しい?」


「あぁ、もう少し甘さを控えてもいいくらいだろうが、疲れていればこの甘さがちょうどいいな。タピオカ自体も甘くて……この触感は慣れるまでが、飲み込みにくいが。まぁ、美味いな」


「…………そっか、美味しいんならよかった!じゃあまた、次の休みに来るよ!スタンプ集めて、この店のメニュー全部食べ尽くすんだ」


「なら、休日出勤しないでいいようにしっかり事件解決しないとな。次はあの腰抜けも連れてきてやるか」


「やだよ。僕、あの腰抜けさん嫌いだもん。次も、藤代さんと2人だけで来るんだよ」


 どうしてミナギは、ふとした時に俺をジーッと見つめるんだ?俺、何か変なことを言ったか?というかお前、ノリよくあの腰抜けの同僚と話をしていたが嫌いだったんだな。


 目が合えばニコッと微笑むんだが、何か隠しているような気がしてならない。


 前は、目が合うこともあんまりなかったな。合いそうになったらフイッと背けられていた。良い進歩?


「ねぇ。帰りはさ、僕が運転していい?大丈夫大丈夫、藤代さんが僕に変なちょっかいしなければ安全運転だから」


 半分くらい飲んで、カップを振って底のタピオカを確認していたらミナギがそう言った。ミナギは車の免許を持っている。仕事の合間に勉強して、見事に1発で合格したな。


 免許を持っているだけで車は持っていない。だがごくたまに俺の車に乗って出かけているんだ。1人でだ。けれどどこに行っているのかは、いつも教えてくれない。


 ミナギの運転の上手さは知っている。嫌な顔をしてみせたが、承諾してやると嬉しそうにタピオカを吸った。ドドドドッと黒いのがいくつも口の中に吸い込まれていったな。


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