24 / 123
黒い傘
11P
しおりを挟む今さっきの様子が嘘のようだな。まるで小さな子供のようにテンションマックスではしゃぐミナギ。タピオカ人気、恐るべし。
蛇行する車を必死になだめ、ミナギを叱ろうと思ったが。だめだな。ずっと輝いていて、笑えてきた。
「藤代さんと一緒に行けるなんて。あ、食わず嫌いはダメだよ?店のメニューには全部タピオカが入っているんだから、藤代さんも、もちろんタピオカを食べるんです」
「げっ」
「絶対に美味しいから!僕が保証する。あ、わかった。僕と一緒だったら、絶対美味しい。なんてね、ニヒヒヒッ」
マジかよ。あんな得体のしれないもの、俺には一生関係ないと思っていたのに。ワクワク満点なミナギの顔を見ていたら、ミナギへのお礼として付き合ってやるかと苦笑。
タピオカを食べたことのないやつに美味いって保証されてもな。それにミナギと一緒だったら美味しいって、お前は秘伝の隠し味か?
きっと俺はミナギのことを半分も知らない。前の飼い主ほども信頼されていない俺に、ここまで楽しそうにしてくれるのか。
こんなにも弾けた、可愛い笑顔を見せてくれるのか。眩しい。俺には眩しすぎる。
こんなに眩しくても、ミナギが俺に隠しているものは輝くことのない真っ黒な闇。ずっと俺に見せないように、しっかり両腕に抱えて守っている。
不思議な少年――もう青年か――のミナギは、一体どんな味がするんだろうな?
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
両腕のない義弟との性事情
papporopueeee
BL
父子家庭で育ったケンと、母子家庭で育ったカオル。
親の再婚によりふたりは義兄弟となったが、
交通事故により両親とカオルの両腕が失われてしまう。
ケンは両腕を失ったカオルの世話を始めるが、
思春期であるカオルは性介助を求めていて……。
とろけてなくなる
瀬楽英津子
BL
ヤクザの車を傷を付けた櫻井雅(さくらいみやび)十八歳は、多額の借金を背負わされ、ゲイ風俗で働かされることになってしまった。
連れて行かれたのは教育係の逢坂英二(おうさかえいじ)の自宅マンション。
雅はそこで、逢坂英二(おうさかえいじ)に性技を教わることになるが、逢坂英二(おうさかえいじ)は、ガサツで乱暴な男だった。
無骨なヤクザ×ドライな少年。
歳の差。
三人の人妻が旦那に黙ってハードゲイのダンスショーをみに行ったら、旦那達がハードゲイの衣装を着てダンスショーしていた!?
ミクリ21 (新)
BL
妻に秘密があるように、旦那にも秘密があった……みたいな話。
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる