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黒い傘
7P
しおりを挟む「僕ってほら、可愛くて女の子に間違われるから襲われることも多くて。さっきみたいに威嚇してやれば逃げてくれるんです」
「自分で『可愛い』って言うなよ。女と間違われて襲われたなんて、初めて聞いたぞ?」
報告書の文面を仕上げ、誤字脱字のチェックをして。印刷ボタンを押すと立ち上がり印刷機へ。途中、ミナギの横を通る時に軽く頭を撫でてやった。
「僕は強い男の子だからねー、自分で撃退できるし。それに、藤代さんを心配させたくなくて。過保護だし?『1人で出歩くな。俺と一緒にいろ』とか言われそうだったしね?」
「あー、藤代さんなら言いそう。ミナギ君、可愛いもん。でもそんなに過保護なんじゃあ、叔父さんっていうよりやっぱり……」
「「パパだよねー」」
息ピッタリか。印刷した報告書を手に戻り際、楽しそうに笑うバカ2人の脳天にゲンコツを振り下ろしておいた。
デスクに戻り、座らずに判を押して封筒に入れる。で、出来上がった報告書を涙目でうずくまる腰抜けの同僚の手に押し付ける。
「あとは頼むぞ、課長代理。待たせたな、ミナギ。行こう」
腰抜けの同僚は、腰抜けながらも実績を積んで課長代理になった。だから事件が起こってもここに残っている。皆からの情報を集め、分析、指示をするのに適した頭脳を持っている。
腰抜けのくせに。5年前のあの日、車の中で震えていたくせに。だが、俺が認める頭脳だ。さらなる出世も夢じゃない。
なんて言えばつけあがるので。俺は封筒を押し付けて、ミナギの手を引いてさっさと部屋を出ていく。
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