17 / 123
黒い傘
4P
しおりを挟む「――あらミナギ君、今日もパパの付き添い?大変ねぇ。こっちにおいで、お菓子でもお食べ?」
「こんにちは。そうなんですよ、パパは休みの日でも家で仕事ばっかりでつまんないんです。あ、いただきまーす」
「誰がパパだっ!例の少年の事件の報告書を提出するだけだ、このあとはちゃんとミナギと休日を過ごす。いいか、くだらないことで電話してくるなよ?」
ミナギはもう何十回も、俺の甥っ子として来ている。すっかり慣れた感じで俺と一緒にやってきたのは俺が勤務する、警察署。
口々に聞こえる「お疲れ様です」の1つ1つに「お疲れ」を返し、自分のデスクに着けばミナギが早速捕まっていた。
最近は増えてきつつある女性警察官。可愛いミナギがお気に入りで、いつ来てもいいようにいつも自分のデスクにお菓子をストックしている。
おい、そいつは表向きは一般人だぞ。機密情報があるデスクに連れ込むなよ。ミナギも、すっかりノッて餌付けされやがって。
俺が休日出勤すると、課長だからか部下達がピリつく。だがそこにミナギが加わると途端に空気が軽く柔らかくなって、皆の顔に笑顔が生まれる。
しっかり俺の甥っ子を演じてくれているミナギ。仕事そっちのけでたかってきた俺の部下達の話し相手になって、笑顔を振りまく。
おいお前ら、ミナギはまだ子供だが19だぞ?小さなガキじゃないんだ、さっさと仕事に戻れよ。とかイラつきながら、パソコンを起動させる。
そこで電話が鳴り響き、さすがは俺の部下。一瞬でシンと静まった。事件が起こったらしい。ミナギにご執心の女も他の部下達も、上着を羽織ると名残惜しそうに出ていった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
両腕のない義弟との性事情
papporopueeee
BL
父子家庭で育ったケンと、母子家庭で育ったカオル。
親の再婚によりふたりは義兄弟となったが、
交通事故により両親とカオルの両腕が失われてしまう。
ケンは両腕を失ったカオルの世話を始めるが、
思春期であるカオルは性介助を求めていて……。
とろけてなくなる
瀬楽英津子
BL
ヤクザの車を傷を付けた櫻井雅(さくらいみやび)十八歳は、多額の借金を背負わされ、ゲイ風俗で働かされることになってしまった。
連れて行かれたのは教育係の逢坂英二(おうさかえいじ)の自宅マンション。
雅はそこで、逢坂英二(おうさかえいじ)に性技を教わることになるが、逢坂英二(おうさかえいじ)は、ガサツで乱暴な男だった。
無骨なヤクザ×ドライな少年。
歳の差。
三人の人妻が旦那に黙ってハードゲイのダンスショーをみに行ったら、旦那達がハードゲイの衣装を着てダンスショーしていた!?
ミクリ21 (新)
BL
妻に秘密があるように、旦那にも秘密があった……みたいな話。
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる