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おまけ
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しおりを挟むシャオリンが体調を崩した時には手厚く看病した。どんなに辛くても病院に行けないから、こいつ自身の免疫力を信じて市販薬を飲ませたり身の回りの世話をすることしかできないのが歯痒かったな。
それから、シャオリンの体が女だというのを思い知らされる日。
始まりから終わりまで最悪に機嫌が悪くなる。無表情で何もしゃべらず、放っておけば食事も摂らないで過ごそうとするのが危ない。
そんな時、私は何も言わずに抱きしめていた。機械の冷たい体は、火照った体に心地が良かったか?
「ギオもセイフォンも嫌いじゃないから、離れてほしくない。でも、どちらか1人を恋人に選ぶなんてできない」
無駄にフカフカなベッドの上で膝を抱えるシャオリン。袖口から覗く両腕に巻かれた白い包帯が痛々しい。
私達は数日前、殺す覚悟で戦っていたっていうのにな。俺もシャオリンもギオも重傷を負って、ギオにいたってはあの後倒れて。あの時の記憶が夢のようだ。
けどな、私もギオも気づいたぜ。お前は勘違いしている、間違っているんだってな。
「それってさぁ、選べないんじゃないよ。シャオはもう選んでいる」
「シャオリンは私とギオ、2人を選んだんだ。そういうことでいいよな、ギオ?」
「まぁ、最高でも最悪でもない結果だね。いいよ、どうせセイフォンにはアレがついてないから抱けないんだしね?クスクス」
私はシャオリンの右側に、ギオは左側に座ってそれぞれ手を握る。
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