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アイデンティティ
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しおりを挟む俺はウィルディを2丁使って格好良く戦うのが好きだ。だが流れ弾が当たるとか自意識過剰だとか陰口をたたかれることがある。俺は俺らしくあるために、陰口に屈せず己を貫く。
その人の個性というか。その人らしくあること、あー……何って言うんだったか。
「アイデンティティを大事にしたいの」
そう、それだ。誰しもが必ず持っている、その人を象徴するもの。他人とは違う欠点ではなく、自分が胸を張って言える自分らしさ。それがアイデンティティ。
素晴らしい言葉だと俺は思う。名前で個性を出すのも大事だが、他の人と同じになる可能性がある。個人の番号を振られるのは人間らしさを失う。
そうではない、自分が思う自分らしさをまず自分が理解して他人に受け入れてもらう。そうすれば自分を嫌いになる人は減る、ということか。
たった10歳でこれはまた深く考え込んだな。恐れ入ったぜ。
「マリアンはもう1人じゃねぇ、俺だけでもねぇ。俺の兄貴が、ジャックが、他にもたくさんの奴らが受け入れてくれるさ。なんなら挙式でも上げるか?」
「き、挙式!?そこまでしなくていいわっ…………結婚は、したいけど」
「なら婚姻届けを書いて挙式を上げるぞ。書くだけだ、役所に届けはしねぇよ。形式だけで、夫婦の契りを交わしてしまえば俺達は晴れて夫婦になれる」
「夫婦……嬉しい。すごく嬉しいわ、ノルウェムっ!大好きっ!」
婚姻届けも挙式もいたって本気だ。組の再結成が済んだらすぐに手配してやる。それまでソワソワして待ってろ。
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