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本当の姿
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しおりを挟むギオはDBに加入するために俺と戦った。あいつはスタームルガーMkⅠを愛用しているが、さすが暗殺者というか、音が緩和されるサプレッサー付き。
その腕前としては俺より少し下レベル。積極的に弾を撃ち出すが命中率は88パーセントほど、俺からの攻撃もたまに受けるくらい。
だが、あれは本気ではなかった。ギオは確実に俺よりも、はるかに強い。
わざと隙を見せて攻撃を受け、わざと照準をわずかにずらす。手を抜いているのが、俺とアランにはわかった。
その証拠に身のこなしには余裕があり、左右で色が違う目は鋭く常に俺を捕らえていた。逆に俺の腕前が見定められているようだった。
DB内での仲の良い友達もいないようだし、そもそも作ろうとさえしていなかったか。ほぼ常に寝ていたもんな。
「どしたの?手、傷む?」
「いや、大丈夫だ。まぁあれだ。ギオとシャオリンなら2人に任せるのが1番いいと思うぜ。本気で殺し合うにしろ、それぞれの組を抜けて国に帰るにしろ残るにしろ」
今度は心配そうにマリアンが俺の顔を覗き込んでくる。近い。今は勘弁してくれ。
しょっちゅう寝たり姿を消したりしてサボっていたギオはあの日、マリアンに手を出した。それがシャオリンを罠にかけるためだったとしても、俺は絶対に許さない。
まるで幽霊部員のようなつかみどころのないギオを、俺もアランも最初から信用してはいなかった。
あの日以来姿を消していたギオが再び俺の前に現れた時には容赦なく殺そうかと思った。が、奴の口から飛び出した言葉と身にまとった雰囲気で、俺もアランもギオをまたDBに戻すことを決めたんだ。
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